うどんWEEK ~#2~ 味噌煮込みうどんの話① 味噌編
月をまたいでしまい、WEEKどころではなくなっておりますが、うどんWEEK第二段でございます。
今回は味噌煮込みうどんなどこしらえようとしております飼い主でありますが皆様素朴に疑問に思いませんか?
「味噌は煮えばな」などといわれておりまして味噌汁などこしらえる時は火を止めてから味噌を溶いて決して煮立ててはならん、と世間ではきつく戒められているようです。それを煮込む?煮立てる?名古屋人は阿呆なのか?と訝る方もいらっしゃいますことでしょう。それには先ず味噌の性質と種類から語らねばなりますまい。
「ほうほう?」
1.味噌の話
味噌には原材料の違いで米味噌、麦味噌、豆味噌などなど、といろいろ種類があるようでございます。ややこしいことには熟成のさせ方の違い、はたまたしゃらくさくブレンドなぞして配合の違いによって白味噌赤味噌あわせ味噌などさまざまな味噌が巷には販売されております。
なかでも味噌の色の違いに注目してみますとこれは熟成の度合いに寄っているそうです。保存期間が長くなると色が濃くなっていく現象をメイラード反応と言うそうです。これは玉ねぎをあめ色に炒めたり、トーストやお肉を焼くと褐色に色づいて香ばしい香りが立ってくるあの現象です。アミノ酸と糖が反応して「メラノイジン」という物質が生み出される現象だそうです。トーストやあめ色玉ねぎなどに見るとおり、メイラード反応は加熱すると短時間で進行しますが、常温でも時間はかかりますが進行するそうで、これが味噌を寝かせて熟成するおおもとの反応のようです。
さてメイラード反応は複雑な香りを産み出して味噌を熟成させて、味噌汁を作った時のおいしそうな匂いとなるわけですが、この香りは水の沸点より低い温度で揮発してしまうそうです。ですから火を止めてから味噌を溶いたり温めるときも煮立たせないようにするわけですね。
飼い主の手持ちの味噌を並べてみました。左上が購入した当初は白に近いあわせ味噌でしたが随分茶色くなってきております、他の3つは熟成赤味噌です。色の違いすなわちメイラード反応の進行具合の違いが一目瞭然で御座いましょう。赤味噌の熟成期間は基本2年程度だそうであります。右下の赤味噌などはゴリゴリに褐色反応を進行させております。
メイラード反応を長く進行させると「香り」に加えて「うまみ」や若干の「苦み」「渋み」が勝るようになってこちらの方が赤味噌独特の味わいとなる「コク」となるそうです。この「コク」は煮立てても揮発しませんのでこれすなわち味噌煮込みうどんに赤味噌が使われる理由となるそうであります。
というわけで飼い主は煮立てても風味の落ちないゴリゴリのメイラード野郎である赤味噌を使って味噌煮込みうどんを作製してみるのであります。が、力尽きたので続きは次回にて。
「飼い主話ながいわー、寝落ちするどー。」
参考文献およびサイト
「味噌汁の科学」
カクキュー”八丁味噌とは”
こちらを参考に今回の記事を書いております。
とても面白いサイトなのでご興味のある方はぜひご覧になってくださいませ。
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